【土地家屋調査士】という資格を知っていますか

こんにちは。
長崎県諫早市で土地家屋調査士をしている尾上 健太です。

とってもとってもマイナーな資格である土地家屋調査士について紹介したいと思います。

【土地家屋調査士とは】

土地家屋調査士は法務省管轄の国家資格で、不動産の『表示に関する登記』を扱うことができる唯一の資格です。
不動産の登記には、もう一つ、｢司法書士｣と呼ばれる資格があり、こちらは権利部（甲区・乙区）を扱います。

不動産の物理的状況を登記記録に反映させるためには、機械を使って測量したりして土地や建物の位置を正確に記録します。

測量をする資格としては測量士(補)もありますが、こちらは主に公共測量がメインで、登記をする前提としての測量は土地家屋調査士しか行う事ができません。

土地家屋調査士の登録人数は15,465人(2024年4月1日時点)で、例えば弁護士は45,727人(2024年8月1日時点)、税理士81,006人(2024年7月末時点)と、有名な資格に比べてかなり少ない事が分かります。

【土地家屋調査士は何をする仕事？】
土地家屋調査士の業務は
1.不動産の表示に関する登記につき必要な土地又は家屋に関する調査及び測量をすること。
2.不動産の表示に関する登記の申請手続について代理すること。
3.不動産の表示に関する登記に関する審査請求の手続について代理すること。
4.筆界特定の手続について代理すること。
5.土地の筆界が明らかでないことを原因とする民事に関する紛争に係る民間紛争解決手続について代理すること

簡単に言うと、
・不動産の登記をするための調査、測量をする人
・土地の境界についてのプロフェッショナル
と思って下さい。

私が使っている測量機材です。

土地家屋調査士制度ＰＲ動画
（制作：日本土地家屋調査士会連合会　近畿ブロック協議会）

土地家屋調査士は、土地境界に係る紛争をゼロにしていこうという取り組みとして『境界紛争ゼロ宣言!!』を提唱しています。
さらに土地家屋調査士は、現在、社会問題となっている「所有者不明土地問題」や「空き家問題」の解決に向け取り組みを行っています。

特に、所有者不明土地問題については、法務省も問題視しており、相続登記義務化が令和6年4月1日から制度開始されました。

法務省のホームページによると、
『相続人は、不動産（土地・建物）を相続で取得したことを知った日から３年以内に、相続登記をすることが法律上の義務になります。
　正当な理由がないのに相続登記をしない場合、１０万円以下の過料が科される可能性があります。
遺産分割（相続人間の話合い）で不動産を取得した場合も、別途、遺産分割から３年以内に、遺産分割の内容に応じた登記をする必要があります。』と記載あります。

つまり、相続人または不動産を受け継いだ人は不動産を相続で取得したことを知った日から３年以内に相続登記をしていただく必要があります。

全ての相続登記が司法書士だけで完結するものではなく、例えば、相続する建物がそもそも登記がされていなければ、司法書士が行う権利部の登記は、前提として表題部を作る必要があるため、まずは土地家屋調査士が表題登記を申請し、その後、司法書士に引き継ぐ形になります。
他にも、登記はされていたもののその後に増築をしており、増築による登記をする前に所有者が亡くなった場合も、相続登記の前後で建物の種類・構造・床面積を確認・測量して、建物表題部変更登記をしなければなりません。

このように、相続登記が円滑になされていくように土地家屋調査士と司法書士が連携しています。

当事務所では、登記に強い土地家屋調査士と、街の法律家である行政書士の資格を有していますので、様々な案件に対応でき、皆様のお役に立てると思っています。どうぞお気軽にご相談下さい。

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