長崎県諫早市の土地家屋調査士・行政書士の尾上健太です。
今回は自筆証書遺言や公正証書遺言は私的にはどちらがおすすめなのかを書いていきたいと思います。
自筆証書遺言について
自筆証書遺言のメリットとして
・費用がかからない
・好きなときにいつでも作成できる
・遺言書の存在や内容を秘密にできる
・いつでもどこでも書ける
・他人に知られる恐れがない
があげられます。
しかし、デメリットとして
- そもそも遺言書が発見されない可能性がある
- 偽造、変造、隠匿されるリスクがある
- 内容を秘密にできるため、誰も見ないため方式に不備があり遺言書が無効とされてしまう可能性がある
- 相続開始とともに家庭裁判所の検認が必要となるため相続人の手続きの手間が増える
- 遺言書を自分で管理する場合は偽造や隠ぺい、紛失のリスクがある
このデメリットは以下の記事にも書いてありますが、結構やっかいです。
公正証書遺言について
公正証書遺言についてはコチラにも少し書いてあります。
公正証書遺言のメリットして
- 公証人が作成するため、形式不備などで遺言書が無効になりにくい
- 原本は公証役場で保管されるため、隠匿や紛失などのリスクが低い
- 検認が不要のため、すぐに相続手続きをスタートさせられる
- 自分で文字を書く必要がない
- 遺言者が公証役場に出向けない場合、公証人に自宅や病院などに来てもらい、公正証書遺言を作成できる
デメリットはほとんどありません。強いて言うなら、行政書士等の専門家に文書案分作成を頼む費用と公証人の費用がかかることと、証人2人が言いふらすリスクぐらいでしょうか。公証人は入院先や施設等にも出張して下さいますので、利用しやすいと思います。
ただし、公証人の仕事はあくまで公正証書として認証することが役割であり、詳しい法律相談等は受け付けてていなかったりするので、専門家を通さずにする場合は、簡単な文言のみで行われ、自分の思い通りに作成されない可能性があることもあるようです。
私個人としては断然、公正証書遺言がおすすめです。実際に、親族でも公正証書遺言を作成してもらいました。
まとめ
個人としてのおすすめは公正証書遺言です。しかし、死期が迫っている人などは、とりあえず自筆証書遺言で作成し、容態が安定したら、検認不要の公正証書遺言を作り直すといったやり方も十分有りだと思います。
自筆証書遺言は専門家に頼まないと、遺言自体が無効になるケースが多々ありますが、公正証書遺言なら、①遺言者、②行政書士や司法書士といった専門家、③公証人 のトリプルチェックがはいるのでより安心です。
遺言書は遺言撤回自由の原則によりいつでも撤回することができますし、家庭状況に合わせて作り直すことができます。その時は、後の遺言が優先され、前の遺言は無効にならず、後から書いた遺言と抵触しない部分は当然に有効です。
とはいっても、複数の遺言が出てきた場合、『後から出てきた遺言に登場する人物に有利になるように書き直させたんだ』と言われ遺言の無効等確認訴訟に発展したりする例もあるため、なるべく前の遺言を撤回して、新しく1から公正証書遺言で作成した方が安心・安全だと思います。
遺言はもちろん制限もありますが、皆様が思っているよりもかなり用途が多彩なので、自分なりに調べてみてよく分からない所がある場合は、お気軽にご相談下さい。
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