建築確認と登記簿に記載される面積が異なる理由

 建築確認と登記簿に記載される面積が異なる理由には、いくつかの要因が考えられます。これらの違いは、測定方法の違いや登記と建築確認の目的の違いに起因しています。主な理由を以下にまとめます。

1. 測定基準や方法の違い

  • 建築確認申請の面積: 建築確認申請における面積は、主に建築基準法に基づいて算出されます。建物の設計図に基づき、建物の**「延床面積」**が示されます。延床面積とは、建物の各階の床面積の合計で、建物の規模や容積率の計算などに使われます。
    • 測定基準は壁芯(へきしん)といって、壁の中心から中心までの距離で測定されるため、壁の厚み分が面積に含まれることがあります。
  • 登記簿の面積: 一方で、登記簿に記載される面積は、不動産登記法に基づいて算出されます。区分建物(分譲マンションの1室の事です)登記簿では、建物の「床面積」が記録されますが、こちらは壁芯ではなく内法(うちのり)**といって、壁の内側から内側までの距離で計算されます。そのため、建築確認の面積と比較して、壁の厚み分だけ小さくなる傾向があります。また、木造、鉄骨、コンクリートでそれぞれ床面積算定の基準が違います。

他にもバルコニーや階段の吹抜の取り扱いなど、細かい所で面積算定方法が異なります。

この違いが、建築確認と登記簿での面積不一致の主な原因となります。

2. 建物の用途や構造による差異

  • 建築確認は建物の構造や安全性、法的規制に適合しているかを確認するために行われるため、基準となる面積も建物の設計上の要件に対応したものです。
  • 一方で、登記簿は所有権を明確にし、財産としての記録を目的としているため、測定方法や記録内容が異なることがあります。

3. 増改築や設計変更の影響

  • 増改築や設計変更があった場合、建築確認の内容が変更されても、登記簿の修正が行われていないことがあります。特に小規模な改築やリフォームでは、登記簿の変更手続きがされないことも多く、そのために面積に差が生じることがあります。

4. 測量精度の違い

 建物が古い場合、当時の測量技術と現在の技術には精度の差があるため、過去の登記簿に記載された面積が実際の面積とズレていることもあります。

5. 法律改正による基準の変更

 不動産登記や建築基準法に関しては、時代とともに基準や法律が変更されることがあります。そのため、古い建物では、過去の基準で登記が行われている場合があり、現在の建築確認の基準と一致しないことがあります。

まとめ

 建築確認と登記簿の面積が異なる理由は、主に測定基準の違い(壁芯と内法の違い)に起因します。また、建物の構造や用途、測量精度、増改築の有無、法律の改正など、さまざまな要因が面積の不一致に影響します。これは一般的な現象であり、必ずしも問題があるわけではありませんが、場合によっては再確認や修正が必要になることもあります。

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